2005-09-29 突然ですが数学クイズです 9を4つ使って作れる最大の数は? [長年日記]

突然ですが数学クイズです [etc]

9を4つ使って作れる最大の数を答えなさい。
ただし、同じ四則演算子を3回以上使ってはいけません。



追記:もしこのエントリに「四則演算 クイズ」などの言葉でのWeb検索から来た人は、こちら、

prima materia - diary : 四則演算のクイズ
4を4つ使って44,11を作る
9を4つ使って10を作る

にどうぞ。








答えは、四則演算を使わないところがポイントで、

9999










ではなくて


\(9^{9^{9^9}}\)

つまり、

9の(9の(9の9乗)乗)乗

である。(なので「算数クイズ」ではなくて「数学クイズ」だったのだ。)


勘違いしないでほしいのは、

9の9乗の9乗の9乗

ではないことだ*1。それは、

\(((9^9)^9)^9\)

となる。*2


\((a^b)^c\) は \(a^{(b\times~c)}\) だから、\(((9^9)^9)^9\) は \(9^{(9\times~9\times~9)}\) であり、たかだか

\(9^{729}\)

でしかない。


「たかだか」などと書いたが、それでも非常に大きな数ではある。何桁ぐらいになるのだろうか?
\(x\) の桁数は\((\log_{10}x)~+~1\) (小数点以下切り捨て)となる。(底を10とする対数つまり常用対数を\(\log_{10}\) と書くと大変みにくくなってしまうので、単に\(\log\) と書くことにする。以降\(\log\) は自然対数ではなくて常用対数ということでひとつよろしく。)
\(\log~a^x~=~x~\log~a\) であることを思い出そう。


\(\log~9^{729}~=~729~\times~\log~9\)
\(=~729~\times~0.954242509439325~=~695.642789381268\)
となり、なんと696桁にもなる数字となる。


無量大数の彼方へ

もご覧いただきたい。無量大数をも軽く超える巨大な数だ。


話を本題の\(9^{9^{9^9}}\) に戻す。
まず、\(9^9\) は\(387420489\) である。
次に、\(9^{9^9}~=~9^{387420489}\) となり、10進数で表した時の桁数はというと、
\(\log~9^{387420489}~=~387420489~\times~\log_{10}~9\)
\(=~387420489~\times~0.954242509439325~=~369693099.63157\) となる。
つまり、3億6969万3100桁の数だ。\(9^{9^9}\) は\(10^{369693099}\) 以上、\(10^{369693100}\) 未満ということ。


そして、\(9^{9^{9^9}}\) を10進数で表した時の桁数は? というと……、
\(9^{9^9}\) をとりあえず、\(10^{369693099}\) として進んでいこう。
\(\log~9^{9^{9^9}}~=~\log~9^{10^{369693099}}~\)
\(=10^{369693099}~\times~\log~9~=~10^{369693099}~\times~0.954242509439325\)
\(=9.5~\times~10^{369693098}\)
最低でも桁数が9.5×10の(3億6969万3098桁の数)乗+1あるということ。


ってこれではなんかすでに、想像できる範囲を超えてしまっているような。
質問を、

9を3つ使って〜

でやめておけばよかったと今後悔した。


このエントリを書くのに、

オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 吉田 武
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売: 2001-11
  • ASIN: 4480086757
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

優雅なeiπ=-1への旅―数学的思考の謎を解く

  • 作者: 河田 直樹
  • 出版社/メーカー: 現代数学社
  • 発売: 2005-07
  • ASIN: 4768703569
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

を持ち出してきてしまった。\(\log~a^x~=~x~\log~a\) の展開でさえ、念のため確認が必要なのは我ながら情けない。


文書処理システムLATEX(ラテック) (電子出版シリーズ)

  • 作者: レスリー ランポート
  • 出版社/メーカー: アスキー
  • 発売: 1990-10
  • ASIN: 4756107842
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

なんかも引っ張り出してきたりして。


最後に、この問題には原典がある。「蓬莱学園の復刻!」に収められている「臨時講師試験の第2回期末試験」だ。


追記:この問題が「この本に載っていた!」とかいうことがあれば、コメントやトラックバックで教えていただきたいです。


追記:取り上げていただいてありがとうございます。 > 結城さん(id:hyuki)。

追記:はてなブックマークのコメントへのコメント
自分で考えたものではないので「蓬莱学園〜!」が原典であることは書いておきました。で、それ以外で類似の問題を見たことが一度もなく、蓬莱学園での問題が本当に空前絶後だったのか気になっていたのでこのエントリを書きました。 > id:otsuneさん
階乗を許してしまうと ....(((((9!)!)!)!)!).....というようにいくらでも階乗を重ねることが可能なわけで、問題として成立しません。かといって「階乗は禁止です」と問題文に書いてしまうと、「べき乗が許される」ことに気がつきやすくなるのが難しいところです。 > id:xRxさん


追記:無限に大きな数を作る方法が存在することに、気がついてしまった(自分で思いついたわけではないが)。もう少し問題文を工夫しないと問題が成立しないのだなぁ。その「無限に大きな数を作る方法」については書かないけど。


追記:このエントリに関して言及していただいた方に対して

階乗のような記号はいくつでも書けるというのは間違い。具体的に書く場合その文字数はこの宇宙の資源で制限されるし、抽象的に書く場合9を使って表現できるものでなくてはならない

inquisitor

「抽象的に書く場合9を使って表現できるものでなくてはならない」というのは、例えば、

9の左側に ( を,右側に )! を\(9^{9^9}\) 個分付けて表現できる数

という様に表現する必要がある、ということですね。
Knuthの記法については何かで見た記憶がありますが、このように数を文で表現するというところまでは考えていなかったです。
雑学クイズレベルなら\(9^{9^{9^9}}\) の解答でいいのでしょうが、やはり厳密には問題文を工夫しないといけないのですね。
「9を4つ使って作れる最大の数」の類の問題(というかクイズ?)に関して言及のある本を紹介いただいたのはこれが初めてです。ありがとうございました。


実にストレートな問題なんだけど、「答え」のボリュームにちとおどろいた。

HSJ.jp : ささやかなる実験場

「問題」も「解答」もシンプル。ボリュームがあるのはただの「解説」です。この「解説」はあってもなくても大差はないんですが、「問題」と「解答」だけでは本当に「蓬莱学園の復刻!」からのコピーになってしまうのであえて書きました。

すべてがFになる (講談社文庫)

  • 作者: 森 博嗣
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 1998-12-11
  • ASIN: 4062639246
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

犀川は、煙草を出して火をつける。「もう、すべて明らかになりました」
「先生……」萌絵が近くで囁いた。「答えだけではなくて、解説が必要なんですよ……」

の逆ですね。不要であるはずの解説の方がボリュームのあるエントリになってしまってます。


多分最後の追記。

フォア・フォーズの素数 (角川文庫)

  • 作者: 竹本 健治
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売: 2005-10-25
  • ASIN: 4041883075
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

紹介するのは2度目だけど、文庫版がもうすぐ出るらしいので。
表題作「フォア・フォーズの素数」がこのエントリに関連する短編。

4を4つ使って作ることができない最小の自然数

を探し求めるお話。


\(4!~+~{}_{4+\sqrt{4}}C_{\sqrt{4}}~=~39\)
(Cは"組み合わせ"の記号)

なんていうアクロバティックな式が出てくるのだが、これはまだほんの序の口
この探検の幕引きは、静かで、美しい。
そして、主人公が追慕する少年カイの言葉が、実に魅惑的。

数学の世界では、遊びの天才がその遊びに名を残していくんだ。ピタゴラスの定理しかり、エラトステネスの篩(ふるい)しかり、フェルマーの予想しかり、ワーリングの問題しかり、デデキントの切断しかり、ラッセルのパラドックスしかり。これは素敵なことだよね。できれば僕もその列に加わってみたいな。自分の名のついた遊びが後の世に伝えられるなんて,考えるだけでもぞくぞくしない?


コーヒーショップのストローはなぜ緑色か [hatena]

コーヒーショップのストローはなぜ緑色なのですか?
http://www.hatena.ne.jp/1127986575

補足。
生豆のことをgreen coffeeと呼ぶらしい、ということが判った時点でなんか関係ありそうだなぁ、と思った。
なのであの英語の部分が目に入ってきた。
回答したサイト

Home Coffee Roasting Supplies - Sweet Maria's

は、green coffee supplier つまり生豆の販売をしているところなので適当に言っているのではないと思うけど……。


straw がストローを意味しているのか、わら(の様な色,香り)という意味なのかを文脈から読まないといけないので、実は思いっきり間違っているかもしれない。

Operating your Home Coffee Roaster

にはこんな文がある。

The coffee starts as a pale green color, except for the decafs, which are already
brown. As the coffee begins to roast, the coffee changes to a straw color (tan)
and you will notice a kind of wet straw smell.

この中のstrawは明らかに"わら"の方。

はじめは緑色だけど、ローストしていくと、わらの色(straw color),褐色(tan)になっていき、濡れたわらのような匂い(a kind of wet straw smell)がしてくる

ん? カフェイン抜きだけ例外ですでに茶色をしている(except for the decafs, which are already brown)って書いてある。
カフェイン抜きコーヒーって、豆が違うのか?

鋼の錬金術師 12 を読んだ……わけではない [comic]

鋼の錬金術師(12) 初回限定特装版 (SEコミックスプレミアム)

  • 作者: 荒川 弘
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売: 2005-11
  • ASIN: 4757515499
  • メディア: コミック
  • amazon.co.jp詳細へ

予約受付中。11月発売なのに早いねぇ。


今までに荒川弘先生が描き下ろした鋼の錬金術師4コママンガを収録し、さらにこの本でしか読めない、新作描き下ろし4コマを収録した小冊子が付きます。
表紙も描き下ろしのスペシャル本です。

これは欲しい。
とりあえずカートにはつっこんでおいた。そのちょっと前ぐらいに発売する、別の本やCDを探すか……。(送料無料にするべく)

舞-HiME [anime]

やっと全部見終わったので色々と考察すると面白そうなのだけど、パス。

  • なんでシスター(紫子)が最後に復活できたのか? 深優の能力が(チャイルドやオーファン,エレメントなどの「高次物質化能力でマテリアライズされたもの」では無いのに、あかねのチャイルドを倒せたことを考えて)アンチ・マテリアライズだとすると、最後のシーンで戻ってくるのは石上だけの様な気がするのだけど。
  • カグツチだけ「封印」されていた形なのは何故か? あの状態だと、カグツチをマテリアライズしたのは300年前の真白? となると「水晶の姫」に選ばれるとチャイルドを切り離され黒曜の君の手で封印されて、次代のHiMEの誰かに継承される、と考えて良いのか。いや、黒曜の君がつい口にした台詞と前回(300年前)の追憶のカットからすると、前回での扱いが特別だったのか? 後者の方が確率高そう。
  • 途中でなつきが力を失ったのは、母への想いを失ったから、でいいのだろう。
  • 恋愛関連は少女漫画のステロタイプの域を出ていなくて、個人的にはストーリーを面白くする要素とは思えなかった。

ま、こんなところで。

こっちに書いておけば [hatena][zaurus]

Linux Zaurus SL-C3000の、購入直後(出荷状態)で fdisk -l /dev/hda をした情報が載っているページ。
ハードディスク内の各パーティションの Start,End,Blocks が判るページ、という意味です。
HDD4の追加やHDD2,HDD3のサイズ変更やHDD3のext3化などしたものを元に戻したいためのものです。(変更手順などはたくさんありますが、変更前はこうでしたという情報を残してくれているページが無くて……)
http://www.hatena.ne.jp/1127953747

ローリングサイトで拾ってもらえるかもー。


追記:回答ありました。質問は終了しています。

ホログラム ホログラフ [hatena]

三次元映像の最新技術についてお聞きします。

映画「バックトゥザフューチャー2」のワンシーン。
〜未来に行った主人公マーティが、映画館の前で突然サメに襲われてビビる。でも実は映画「ジョーズ19」のホログラム映像による宣伝だった〜と、いう話があります。

このような三次元映像を実世界に投影する技術は現在どこまで進歩しているのでしょうか?近い将来実現可能なとこまで来ているのでしょうか?技術の詳細、研究を行っている企業名など、できるだけ詳しく知りたいのですが、よろしくお願いします。
http://www.hatena.ne.jp/1127953303

完全なホログラムを作るとなると複数のカメラで多角度から撮影して、残りの面はコンピュータ使って補完するってことになるなぁ。
動画だと大変だぁ。


それよりもカメラ2台あれば十分な、裸眼立体視ディスプレイの方にシフトしているような気がする。


ところで(ちゃんと何かの機関で定義された言葉なのかは判らないけど)ホログラムっていうのは、ホログラフ(完全写像)を利用して全周からの映像を焼き付けたもの(=メディア)にレーザをあてると立体映像があらわれる、というもの。
ホログラムとホログラフでは全然違う意味なのだけど結構混同されている。

参考
Catfish's Hologram Archives: Something funny

完全写像(ホログラフ)というのは「全体の情報を部分へ」かつ「部分の情報を全体へ」写像する、って言えばいいだろうか。
ホログラムを記録したメディアを、例えば半分に割ったとする。その半分に割ったメディアにレーザを当てて映像再生すると……、あら不思議、半分の映像が顕われるのではなくて、ディティールが失われた全体の映像が顕われる、っていうのはどのくらいの認知度なのだろうか?


空像としての世界―ホログラフィをパラダイムとして

  • 出版社/メーカー: 青土社
  • 発売: 1992-07
  • ASIN: 4791751817
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

途中から「科学と神秘主義のあいだ」「物理学は神秘主義へ向う」とかの方向に行っちゃってあれあれ、となったけど楽しく読んだ記憶がある。


追記:あぁ、やっぱり、いきなりホログラムと裸眼立体視の区別もつかないような回答者がでてきたよ。質問文に「裸眼立体視の情報は要りません」ときっちり書かないと駄目だよなぁ、と予想した通りになったか。

SOHO的ビジネスは他者に依存しちゃ駄目 [hatena]

ネットワークビジネス(特定商取引)に登録するために10万円を振り込んだのですが、90日以内に脱会すれば振り込んだ額の9割のお金が戻ってくるとのことなので、やっぱり脱会して9万円を取り返そうと思っています。
しかし電話で問い合わせたところ、『脱会する人が殺到していて順番に振り込んでいるので、あなたに振り込むのは約10ヶ月先になってしまう』と言われました。
(略)
この二つの記事の中から、相手(会社側)に9万円を早く振り込ませる文章を法の元にうまく作成してもらいたいのですが、どなたかよろしくお願い致します。
http://www.hatena.ne.jp/1127922944

その間に、相手との連絡がつかなくなるだろうなぁ(=さっさと雲隠れしてしまうという意)、と思ったのは私だけ?


あ、あと、契約の中に「契約内容に関する守秘義務」とか入ってないのかな?
入ってたらまずいことにならないかな?

*1 と書いては見たものの自信なし。

*2 yaccやRacc,JavaCCといったコンパイラ・コンパイラに関する本を読んだ人や、コンパイラの作り方という様な勉強をした人ならば、べき乗が右結合の演算子だったことを思い出して欲しい。

本日のコメント(全5件) [コメントする]
tfukui (2006-03-20 20:58)

初めまして。確か多胡輝の「頭の体操」の初期のもの(たぶん4巻までのどれか)に「9を3つ使って…」という問題が有ったと思います。

quintia (2006-03-20 20:59)

「頭の体操」ですか。初版は1960年台ですね。<br>情報ありがとうございました。

JJon.com (2006-03-20 20:59)

私は,ロバート・A・ハインライン『獣の数字』というSFで答えを知りました。6の(6の6乗)という無数の並列宇宙が舞台です。

JJon.com (2006-03-20 20:59)

追伸。『獣の数字』は1980年の作品のようです。

quintia (2006-03-20 20:59)

獣の数が666でなくて6^6^6なんですね。クイズでなくてそう言う形というのも面白いですね。ハインラインは読んだことが無いかも。「夏への扉」とか「月は無慈悲な〜」とか、本棚(未読本のスペース)には並んでるんですけどね(汗)。