2006-04-13 [長年日記]

マウス オブ マッドネス その2 [novel][movie]

映画"In the Mouth of Madness"(DVDは asin:B00005HYWP)のノベライズ。

マウス・オブ・マッドネス (学研ホラーノベルズ―MOVIE MONSTERセレクション)

  • 作者: 朝松 健
  • 出版社/メーカー: 学習研究社
  • 発売: 1995-05
  • ASIN: 4054005179
  • メディア: 単行本
  • amazon.co.jp詳細へ

昨日の続き。

http://materia.jp/blog/20060412.html#p02


ノベライズより映画の方が面白いと思うのは何故だろうと考えていた。
映画版にこれほど惹かれる理由は、その高い自己言及性にあるのだと思う。
ということは、小説版は「映画のノベライズ」であってはならない。自己言及性が失われてしまう。「映画化の前に出版された大ベストセラー小説」という形である必要がある。
体裁だけでもそうなっているべきだ。
「朝松健の手によるノベライズ」じゃ駄目なんだ。「サター・ケーン著/朝松健訳 映画『マウス・オブ・マッドネス』の原作小説!」ぐらいのアオリでいいんだ。
あと、伊藤昭弘がベル☆スタア強盗団からワイルダネスへの流れで作った、2ページ目の「日本語版出版権独占」の表記。あれぐらいの体裁が良かったのでは?


体裁だけ整えてもしようがない、と言われればその通りだけど、ノベライズという体裁を取った瞬間にあの優れた自己言及性が失われる、というのも確か(だと思う)。


我孫子武丸氏が、

探偵映画 (講談社文庫)

  • 作者: 我孫子 武丸
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売: 1994-07
  • ASIN: 406185707X
  • メディア: 文庫
  • amazon.co.jp詳細へ

の後書きで「本当は『探偵小説』という小説か、『探偵映画』という映画であるべきだった」というようなことを書いていたと思う。
それが同様にあてはまるのではないかな。

スーパーマリオ! [game]

via Windows100%

Super Mario Brothers Race

観客総立ちだよ。

π進数 [etc]

19:12 追記
途中の式――4 をπ進数で表現しようとした式――が思いっきり間違っています。が、最後の結論は間違ってないと思うので、とりあえずそのままにします。


ここでπ進数というのを考えて見ます。ある数がπ倍になったら桁が繰り上がるわけです。この表記を使うと、無理数であるπの表記が簡単になります。πをπ進数で表せば10です。これは2を二進数で表せば10になるのと同じです。


π進数などというものに必然性があるのかはともかく、こう考えると無理数でも確かに存在する数だというのが実感できるのではないでしょうか。


SF的な発想をすれば、車輪生物がπ進数を使うということも考えられます。車輪生物が、自分の身長つまり直径に対して、1回転した長さ、直径×円周率を使って数というものを理解するわけです。

Log of ROYGB - 10進数

πは超越数なので、0を除く有理数が全て表現不可能なんですけど……。

とコメントをいれてはみたものの、怪しい……か?


有限の桁で表現不可能なのは確か。
でも、小数点以下無限の桁で表現可能か不可能か?
例えば 4 をπ進数で表現したい。記号 1 を使うとややこしいので I を使おう。例えば \(\pi^{4}~+~\pi^{2}\) は I0I00 という表記になる、と。
4 が I.?????... という表記になるところまではすぐ判る。(19:12 追記 ここ、間違ってます。I?.????ですね)
\(\pi~+~a_{1}~\pi^{-1}~+~a_{2}~\pi^{-2}~+~a_{3}~\pi^{-3}~+~...~a_{n}~\pi^{-n}~+...~=~4\) なる無限数列 \(a_{n}\) が存在するか? ということか。
Windowsの電卓(関数電卓モード)を使ってちょっと計算してみるか。


4 -PI = 0.8584073464102067615373566167205 (1)
1 / PI = 0.31830988618379067153776752674503 (2)
I.I????だな。


(1) - (2) = 0.540097460226416089999589089975
……まだ 1/PI より大きいぞ。どうなってる?
そっか、各桁は [0〜π) の開区間を取るんだから当たり前なんだ。I と 0 だけじゃ表現できない。それぞれの桁に"[0〜π) の1つの実数"を表現することが求められるんだ。って、それじゃπ進数を考える意味が無くなっちゃうぞ。


あれ?
\(\pi~+~a_{1}~\pi^{-1}~+~a_{2}~\pi^{-2}~+~a_{3}~\pi^{-3}~+~...~a_{n}~\pi^{-n}~+...~=~4\)
の式に \(\pi^{0}\) が出てこないのはなんでだ?(19:12 追記 式は間違ってます。でも、ここから下の論理は成立すると思います。)
……これは……つまり……乗算の単位元(10進数表現での"1")が、「π進数では有限桁表記できない」っていう事実を示しているのかな。
「10進数表現でいうところの"1"がπ進数では有限桁表記できない」のは分かってはいたけど、これじゃ困るな。


いや、発想を逆にしなきゃいけないのか?
「(自然数)進数の世界*1」でπが"超越数"であることの裏返しだ。
「π進数の世界」では、"乗算の単位元"が「(自然数)進数の世界」でいうところの"超越数"の扱いになるんだ!


……この辺にしとこう。考えたらキリが無さそうだ。


追記
本当に面倒くさくなって途中で書くのをやめてしまったのだけど、もしかして気がつかない人がいるかも、と思ったので追記。
ROYGBさんのエントリ中、

πをπ進数で表せば10です。

に登場する記号"1"や、私が

記号 1 を使うとややこしいので I を使おう。例えば \(\pi^{4}~+~\pi^{2}\) は I0I00 という表記になる、と。

として導入した記号"I"。
"これ"が"乗算の単位元"であり、"「π進数の世界」では有限の桁で表現できない(であろう)数"で、つまり"超越数"にあたる、そんな性質を持っている。
だから、「10進数ではπを正確に記述できないので"π"という記号を使って表現する」のと同様「π進数の世界では"乗算の単位元"を正確に記述することはできないので、"1"とか"I"という記号を使わないと表現できないんだ!」ということに気がついた、と、これはそういうエントリなのです。


追記 21:50
思いっきり間違えてたからこのエントリ自体「無かったこと」にした方がいいのかしらん?
とりあえず整理してみよう。
π進数が成り立たないということはすぐに判った。1桁(10進数の世界でいう"1の位")で、[0, π) の開区間を表現する必要がでてくるからだ。
次に思ったのはRYOGBさんが何の断わりもなく"1"という記号を使っているのが「まずい」と思った。普通に数として捉えると数直線で [0, π) の間にあるからだ。
零元として記号の"0"を使うのはまぁいいとして、"1という数"と"1"という記号を混同して使うのはよくない。
言い換える。乗算の単位元として"1"という記号を使うのはよくない。
ということで"I"という記号を導入した。
次にとりあえず、4 を表記しようとしたらどうなるか? と考えた。と、いっても、有限の桁では表記できるはずがない。でも無限に続く小数として捕らえることはできるんだろうか?
まず手作業で何桁か表現しようとした。
そこで単位元の捉え方が10進数の世界と異なるということが無意識に働いてしまったんだろう。思いっきり間違えてしまった。
で、思いっきり間違えた式を書いてしまったことで、逆に"単位元の捉え方が10進数の世界と異なる"というのがどういうことかに、強力に意識が向いてしまった。
\(\pi^{0}\) が単位元にあたるはずなのに、この"数"は1桁目の [0, π) の開区間上に存在していている。
そしてπは超越数だ。n次の方程式の根としてπが表われることはない。だから最初の目論見ではもしも仮に――あくまで仮にだ――π進数を考えたとして有理数を表現できない、と思ったのだ。
ということは単位元でさえも、π進数では"超越数"的なことになるのでは? という方向に突っ走ってしまった。
まぁ、そういうことだ。
思いっきり間違えてはいるけれど、"楽しいから許す"という精神で残しておくので温かい目で見てやってください。
(楽しい……のか?)
(楽しいんだよ! 悪いか?)


追記
結城さんからコメントいただいた√2iを基数にするという話は、4/15にちょっとだけ考えてみました。


追記

prima materia - diary : π進数 再び

を書きました。

トマト銀行がNEC製勘定系の採用を白紙撤回 [news]

↓この話、日経コンピュータ誌の「動かないコンピュータ」で読んだ覚えがあるなぁ、と思った。ただそれだけ。

ところが、NECがBW21の開発にてこずったこともあり、第一号ユーザーである八千代銀行の稼働が2001年月から2003年5月にずれ込んだ。

トマト銀行がNEC製勘定系の採用を白紙撤回、日立製に切り替え:ITpro

*1 便宜上こう書いたけど当然1進数は存在しない。

本日のコメント(全2件) [コメントする]
hyuki (2006-04-15 07:33)

Knuth先生のThe Art of Computer ProgrammingのVolume 2に√2i を基数にする話題が出てました。日本語版p.193。ご参考。

quintia (2006-04-15 11:09)

ありがとうございます! とても興味あります。<br>でも……あの本、高くて手が出せないです……。