2006-06-12 [長年日記]

無断リンク禁止 [etc]

高木浩光さんのエントリを読んだ。大変同意できる内容だった。
今まで書き散らかしてきた私と違って、まとめられており整然としている。
さすがだ。


ただ、2点だけ、「無断リンク禁止厨」という言葉を使うことと、引用した以下の部分が過去形で書かれていることだけが気になった。

何も考えなしに書いている人と、目的を持って書いている人だ。一時期は官公庁とその関係機関に多く見られたこの宣言は、自力で物を考えることをしない事務員が、横並びで他所の省庁の記述を真似るか、上位官庁の記述を正確に受け継ぐことで、感染症のごとく広がっていった。官公庁にこうした宣言があると、一般の人もそのような宣言をするのが妥当であるかのように誤解するであろうことから、宣言すること自体が批判の的となった。


こうした宣言が批判されなければならないのは、一般の人が目的を持って無断リンク禁止を宣言することに有害性があるからである。無断リンクを巡って起きた騒動を振り返ると、次のような流れが典型であった。ある人が開設していたWebサイトは、当初はごく少数の人が訪れるだけで、平穏な日々が続いていた。そこにある日、著名なサイトからリンクされ、大量の人々が閲覧にやってきた。当該サイトには倫理上問題のある記述があり、訪れた人々に批判されることとなった。開設者は批判されることに耐えられず、サイトを閉鎖してしまう。こうした事態を避けようとして、「当サイトは無断リンク禁止です」と主張する人たちが出てくる。

高木浩光@自宅の日記 - Winnyの可視化と無断リンク禁止厨の共通関係に見る問題の本質

「一時期は官公庁とその関係機関に多く見られた」とあるが、今でも教育委員会・学校ではごく普通に「無断リンク禁止」という文字が書かれている。
いくつかの学校・教育委員会には、メールやサイト内のCGI経由の手段で「学校サイトに『無断リンクを禁止します』と書くことは、児童・生徒に『そう書いておきさえすれば無断リンクされることはないのだろう』という誤った認識を育てるのではないか?」という旨の連絡をしている。
その結果として(?)「無断リンクを禁止します」の文言を削除した(と私が確認できた)サイトはただ1つの学校だけ。


冒頭にも書いたけど、未だ終わらざる問題だと思い、色々と書き散らしてきた。

prima materia diary - 続々サーバー様 無断リンク禁止なのは学校・教育委員会の方なのだ
prima materia diary - 北九州市の運用規定
prima materia diary - 私がたどった路
prima materia diary - 小中学生向けの本に無断リンクはなんと書かれているか?
prima materia diary - インターネットにおけるルール&マナーの教育の構図
prima materia diary - 教科書展示会


Winnyに関しては、

prima materia diary - Winny

これぐらいだろうか?


この2つについて、関連づけて説明する考えに喝采した次第。


とはいっても、

学校においては,学校と子どもたちを守るという
観点からこの要領を作成しており,お問い合わせの
「第4条」については,リンクを禁止するという
意味ではなく,教育的な配慮から,リンク元のホ
ームページの内容が,「法令や公序良俗に反する
場合などにはリンクの削除をお願いすることがあ
ります」から規定しておりますので,ご理解をいた
だきますようお願い申し上げます。

なんて謎な回答を教育委員会という組織はしてくれるのだ……。暗い将来が予想できてしまう。

prima materia diary - 無断リンク禁止に対する教育委員会の無力さ

もっとも、私の文章に説得力がなかった、ということでもあるのだろうが。


追記

prima materia - diary : 「無断リンク禁止はナンセンス」が駄目ならどうすればいいのか

に続く。

本日のコメント(全2件) [コメントする]
apiと言います (2006-06-14 19:36)

高木浩光氏の@自宅の日記の閲覧者です。<br>たまたま、トラックバック先をクリックして訪問しました。<br><br>学校に対して"無断リンク禁止"の記載はおかしいのでは無いか?という意見をしたがために、要注意人物の称号を頂戴したようで、何かと気を使う保護者ライフを送っています。<br><br>教育機関に対してスグに対応せよとは求めてはおらず、その点について一度考えてみませんか?という提案を無視する姿勢に不安を抱いています。<br>どなたか偉い方の鶴の一声で、無断リンク云々の表示はあっさりと消失するようにも思いますが、なぜ問題視するのかと言う点を現場の先生が考えようとしないことに閉口しています。<br><br>今日は「他にもおられるんだなぁ〜」と嬉しい気持ちになってコメントを残させて頂きました。<br>又お伺いさせて頂こうと思います。

quintia (2006-06-14 23:53)

それは「たまたま」ではありません。明確に同じ問題意識を持っていて、然るべき順路で出会ったということですよ。同じことを考えていらっしゃる「保護者という立場の方」がいるのは私としても本当に嬉しいです。<br><br>> 要注意人物の称号<br>なるほど、子供(小1)の学校には、私が発信者であることを明らかにしてメールを一度したんですが反応無しでした。そう思われることになるのでしょうかね……。<br>私自身は、Web上ではことあるごとに取り上げていこうとは思ってますが、実生活でアクションを起こすのは子供が中学校に入るタイミングだろうと感じてきています。教科書を読んでみるとその辺までの話は小学校ではできないのかなぁ、と。<br>あるいは小学校で何かできるとすれば、むしろ PTA に積極的に参加されている保護者のほうからのアプローチぐらいですか。<br><br>スラッシュドットの記事は北九州市と仙台市が名指しされてます。こんな blog と違って、あそこならどちらかの市の保護者が見てないはずないんだけどなぁ、温度低いなぁ、と思っていたところでした。<br>こちらとしても嬉しい限りです。コメントありがとうございました